独立する前は、10年間ほど医療法人系の病院の東洋医学・リハビリ科で鍼灸治療を行っていました。そこの部門の主任にもなり、自由に鍼灸治療ができた環境でした。
そこでは、世間の人が鍼灸治療といえばイメージしやすい肩こり頭痛、腰痛、膝痛への治療を行っていましたが、それ以外にも突発性難聴や顔面神経麻痺、更年期障害、うつ病、パニック障害といった一般的に鍼灸治療ではイメージしにくい疾患への東洋医学的アプローチも行っておりました。
主任という立場を利用して、ぼくが1人で企画、編集をした患者さん用の病院新聞も作っていました。
下の写真は、ちょうど今から14年前に、ぼくが作ったインフルエンザについて書いた病院の新聞記事に貼り付けたものです。
看護師さんに頼んで写真を撮影してもらい、インフルエンザワクチンを接種した体験を書きました。痛いイメージを持ってもらってはいけないので、無理して笑っています。
実は、このワクチン接種の2週間後、インフルエンザにかかってしまいました・・・
40度の発熱でダウン。
2日間休んだ後、でてきて欲しいといわれたので、休憩中に点滴をしながら仕事をしました。職場は病院なので、僕がいなくても冬はインフルエンザウイルスでいっぱいです。だから、別に関係ないのです。
今なら問題かもしれませんが。
そんな勤務時代、自分の人生観が大きく変わるけっかけになったのが末期癌の方への鍼灸治療でした。
みなさん余命3か月、ステージ4です。肝臓癌、肺癌、乳癌などなど。
30代で余命3ヶ月と宣告された女性、肝臓癌で痛みで苦しむ方、間近に迫る死の恐怖でパニックで泣いている方たちに出会いました。
特に思い出に残る方は、60代の男性で肝臓癌の方です。
ご家族からの依頼で亡くなるまでの間、少しでも痛みを取って欲しいということでした。
余命が少ないということを知れば暴れるという理由から、本人には末期の癌だと知らされていませんでした。
「鍼治療中に死んでも裁判しませんからお願いします」
こう言われたら仕方がありません。院長もOKを出したので、私が担当になり鍼治療を行うことになりました。
気性が荒い方でしたので、ご家族から「口が悪く変なことをいうと思いますが、すみません、耐えてください」ともいわれました。
実際、想像以上に口が悪く、通院していた病院医者には「お前はヤブ医者や!」ということもあり、プライドが高い医者がキレて担当が変わったこともありました。
ぼくは、「ヤブ鍼医者!」といわれました。
でも、あまり気にならない性格なので、「そうですか~」と聞き流していたのが逆に気に入られたようで、だいたい後で「すまんな~」と向こうから謝られます。
「しんどい気持ちわかりますから」と、
いつもこんなやりとりでした。
最後の方になると、胸にあるリンパに転移していたため、どうしょうもできない状態になってしまいました。「おまえ、手抜きしたやろ!」
その顔は医学用語でいう、ヒポクラテス顔貌『ヒポクラテス顔貌』でした。
つまり、死、あるいは長期の病気、過度の排出(嘔吐、下痢、排尿など)、過度の飢餓によって生じた顔貌の変化のことです。ヒポクラテス死相ともいいます。
この顔貌になれば、もう長くありません。
本人は癌だと知りませんでした。そのため、今まで鍼をすればよくなったのに効き目が落ちてきたことが、ぼくが治療をしっかりしなかったと思ったようです。
そんなやりとりを続けながら、余命3ヶ月でしたが、結局は1年6ヶ月間、普通に生活することができました。
亡くなる3日前まで自転車に乗って鍼治療を受けに来てくれました。
「お前はまだまだこれからやから、これで本を買ってしっかり勉強しろ」と言って、1万円を頂きました。
亡くなる当日は、いつもと変わりなく昼食を食べた後、様態が急変してそのまま旅立たれました。
この経験の後、末期癌患者を任せられるようになり、死が間近に迫った人たちに鍼治療を行うことが増えました。
「鍼治療で癌が治りますか?」という問い合わせがありますが、鍼治療で癌を治すことはできません。希に、末期癌の人がよくなったケースもありましたが、鍼の効果かどうかわかりません。
鍼治療で癌は治せませんが、痛みを和らげたり抗癌剤の副作用を抑えることは可能です。
今は、私の鍼灸院で行っている抗がん剤の副作用による手足のしびれへの鍼治療です。
乳癌で使用するパクリタキセル、タキソール系の薬を使用すると副作用で末梢神経障害が起こります。
症状は、しびれが朝昼関係なく続き、砂利の上を裸足で歩くような感じがでてきます。
これは最近、大学病院も行われています。
効果あるのですが、まだまだ世間では知られていません。
興味がある方はこちらをご覧ください。
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抗癌剤の副作用による手足のしびれへの鍼治療は、今、とあるところが研究したくさんのデーターを集めています。今後、メジャーになると思います。
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