氣よし鍼灸院の思うままブログ

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乳癌の後の肩こりが肺癌だった話

今から20年以上前の話になりますが、病院勤務時代、ぼくは末期の癌患者の方たちを担当していました。全員あと数ヶ月の命だと告げられていました。

末期癌の患者さんたちは他の病院に通院されている方たちでしたが、勤務している病院が鍼治療を行っていたため、鍼だけを受けにきていただいていました。

院長は医者なので、「東洋医学は詳しくないから先生にお任せします」と、鍼治療については、ほとんど口出すことはありませんでした。

 

下の写真は、当時勤務していた病院の東洋医学・リハビリ科になります。

鍼灸治療を行うためのベットは10台。ここの主任をしていました。

 

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今でも同じだと思いますが、病院で鍼治療を行えるところは、ほとんどありません。これにはワケがありますが、この話をすると長くなるのでまたの機会にします。

 

癌患者さん以外にも、毎日、鍼灸治療を最低10人、多くて20人以上は行っていました。

よく、鍼灸院のホームページで「~人に鍼治療の実績!!」という宣伝を目にすることがありますが、この宣伝のようにいえば、退職した病院勤務10年間で、延べ3万人以上に鍼灸治療を行ってきました。

 

退職当日、仕事の後の写真。確か、スタッフに笑顔で~と言われて無理矢理笑った写真。12年前の写真。これでも主任なんですよね。一応。

 

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心に残った乳癌の患者さんたち

 

20年前に担当した30代女性の肺がんの患者さん。もともと、肺癌になる2年前に乳癌になりました。ステージはそれほどではなかったと思います。

手術をして2年ほど経過した頃から、強い肩こりを感じるようになったため、普通の肩こりだと思い、職場の近所の10分千円のクイックマッサージを受けていました。

マッサージを受けても、すぐに強いコリを感じ、よくなることはありませんでした。

 

1ヶ月間、週に5回通うがコリはひどくなるばかりで、さすがにおかしいと思い、病院で検査の結果、末期の肺癌だと分かりました。その時、すでにステージ4。余命3ヶ月と宣告。

 

癌は5年間が怖い。転移があるためです。乳癌の場合、多いのは肺癌です。過去に乳癌があり、何をしても取れない肩こりの場合、肺に転移を疑わないといけません。

クイックで働いている人には悪いですが素人ですから。医療系国家資格は持っていませんので、分からなかったと思います。

少しでも知識があれば、じっとしていても感じる強い肩こりの原因に感づいたと思います。

 

この肺癌の女性は院長の奥様の妹さんの親友でした。当時、担当していた癌患者さんたちの痛みが鍼治療で和らいでいたため、少しでも痛みを取って欲しいとお願いされ、ぼくが受け持つことになりました。

 

癌の鍼治療、当時、購入したばかりのWin98パソコンで文献をしらべたり、卒業した学校の先生に治療の相談に行ったりしましたが、癌の痛みを取る鍼治療の文献はほとんどありませんでした。

かなり、必死になりすぎて毎日胃薬を飲みながら働いていました。20代のあの期間、かなり成長できたと思います。

 

自分で車を運転して来院される末期癌患者

 

この女性は、入院先の病院から自分で車を運転され、鍼治療を受けにきて、また通院していた病院に帰るという今思えば、すごいことをされていました。

入院先の医師も、どうすることができなため自由にさせていました。(今はこういうこと無理だと思います)

 

週に1回の鍼治療だけではなく、当時、ある病院で実験的に行っていた温熱療法と鍼治療の併用によって元気になり、また仕事を再開するまで回復することができました。

 

実際、何が効いたか分かりませんが本当に元気になられました。

 

しかし、その後、何ヶ月経過した後、癌の闘病で失われた時間を取り戻そうとして自分で事業をはじめられました。

かなり無理をして、夜中遅くまで仕事をやった結果、再発です。

 

今のぼくなら、その後ケア、生活習慣のアドバイスもしていますが当時は、なにも言っていませんでした。ただ、無理をなされないように、とだけしか伝えていません。

 

その後、お見舞いにいきましたが、全身チューブだらけで、その後、亡くなられました。

 

もし、あの後、無理をせず、ゆったり過ごしていればどうだったんでしょうか。また、クイックマッサージに行かず、ちゃんと病院で診てもらっていれば余命宣告までにはならなかったと思います。

 

診察はいらない、私は肩こりやから

 

一般の人からすれば肩こりが、肺癌には結びつかないと思います。ただの肩こりだと思い、マッサージを受けていたことも理解できます。

 

この後、50代の方で同じく乳癌になり手術をした方が、肩がこるといって、私が勤務していた病院でマッサージだけして欲しいという方がおられました。

 

病院はお昼の12時に終わりなのですが、この方はいつも11時50分という微妙な時間に来られていました。

たぶん、待ち時間が嫌だったんでしょう。何回か、もう少し早く来て医師の診察受けて欲しいと伝えましたが、やはりいつもギリギリです。

 

「わかりました」というばかりで、聞く耳持たずでした。

 

院長も副院長も午前診が終われば、すぐに往診に行くため、ギリギリの時間に来ていたら診察を受けることはできません。

 

以前来られていた方が、乳癌の手術後、数年経った後に慢性的な肩こりが末期癌だったということもあるからと伝えましたが、「あ、そうですか」と言うばかりで、『肩こり=肺癌』という図式には、ならなかったようです。

結局、肩こりが痛みに変わってきたので、調べてみると肺癌でした。50代前半ということもあり、進行も早く、脳まで癌は転移して、顔つきも別人になりました。

 

その後、どうすることもできない状態になり、ある気功家が「癌は気功で治る」と言ったため、1回15分で1万円の気功を週に2回受けたり、日本ではまだ認可されていない、何十万円もする薬を使ったりしましたが、結局、帰らぬ人になりました。

 

当時、ぼくも若かったので、信用されていなかったかもしれませんが、2人目の人には、もっと具体的に根気よく説明しておけばよかったかもしれません。

 

こういう、ただの症状が癌ということもあるため、長い間、何をしても取れない痛みなどは、一度検査は受けるべきです。

  

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