こんにちは、大阪で鍼灸院を運営している中島です。
今日は、「不妊鍼灸の現実と費用の問題」について、現場の視点から率直にお話ししたいと思います。
リウマチと不妊を抱える女性が増えている
当院では、リウマチ治療を専門のひとつに掲げていますが、リウマチと同時に不妊の悩みを抱えている患者さんも少なくありません。
なぜかというと、リウマチは30代〜40代の女性に発症しやすく、ちょうど妊娠・出産を考える時期と重なるためです。
関節の痛みや薬の副作用、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が重なり、妊娠しにくくなるケースがあります。
そのような背景から、最近では「不妊鍼灸」を専門に行う鍼灸院が増えてきました。
不妊鍼灸セミナーで起きた“残念な話”
私自身、以前「不妊鍼灸」の勉強会に参加していたことがあります。そこでは専門的な知識や臨床データ、治療技術について多くを学びました。
ところが最近、その勉強会の資料を無断で流用し、まるで自分が行った研究のように偽って高額セミナーを開催している人物がいたという話を耳にしました。
主催者の先生曰く、正規の勉強会では朝10時から夕方5時まで充実した内容でたった1万円。それに対し、その「偽セミナー」は数時間で数万円もの受講料を取っていたそうです。
さらに、そのセミナーを開催していた鍼灸師は、免許取得から5年も経っていない新米。
果たして、そんなキャリアで本当に教える資格があるのでしょうか?
高額な不妊鍼灸の治療費、その裏にある“心理”
実際、そういった方が運営している鍼灸院では、1回の不妊治療に1万~1万5千円という高額な価格設定がされています。
患者さんの中には、こう口にする方もいました。
「治療費が高いほうが、なんだか効く気がして…」
確かに“高いほうが良いもの”という価値観は世の中に多くあります。
ですが、医療や治療の世界では、価格と効果は必ずしも比例しません。
もちろん、安すぎても経営が成り立たず、継続的な治療の提供が難しくなるため、適正価格は必要です。
しかし、「患者さんの不安」や「藁にもすがる思い」に乗じて値段を吊り上げているように見える院も少なからず存在します。
国家資格のない施術者が高額治療?
もうひとつ、注意していただきたいのが、国家資格を持たない無資格者による施術です。
以前、当院に来られたリウマチ患者さんが、整体院で1回30分の施術に2〜3万円支払ったにも関わらず、
「これはリウマチじゃなくて捻挫です」と言われ、腫れた足首をグリグリ押されて症状が悪化し、歩けなくなったというケースがありました。
検査結果では明らかにリウマチ因子も炎症反応も高かったのです。
一体、何を見て判断していたのか…。
本当に残念でなりません。
鍼灸院選びで失敗しないために
治療院選びで失敗しないために、以下の点はしっかり確認してほしいと思います。
口コミやホームページを見るのも良いですが、実際に話をして、信頼できるかどうかを大切にしてください。
まとめ|「値段」よりも「実績」と「信頼」で選ぶ
不妊治療において、心と体のケアは非常に重要です。
とくにリウマチを抱えている方にとっては、体調管理と妊活の両立は簡単なことではありません。
だからこそ、信頼できる治療家と長く付き合える環境を選んでほしいと思います。
「高ければ効く」と思い込まず、しっかりと中身を見て判断することが、本当に意味のある不妊鍼灸につながるのではないでしょうか。
不妊に悩む方にとって、安心して相談できる場所でありたい——
それが私たち鍼灸院の責任であり、存在意義だと考えています。
氣よし鍼灸院のホームページ