リウマチの患者さんが「寛解」になりました
〜鍼灸と関節注射を上手に組み合わせて〜
先日、当院に通われているリウマチの患者さんから、うれしい報告をいただきました。
「先生、主治医から“寛解”と言われました!」
診察室に入った瞬間、先生が笑顔で
「今日はいいお知らせですよ!」と伝えてくれたそうです。
💡寛解(かんかい)とは?
病気の活動がほとんど止まり、症状も安定している状態を指します。
「完治」とは少し違いますが、リウマチ治療では大きな節目となります。
🔹リウマチ治療が思うように進まなかった時期
この方が最初に当院へ来られた時、すでに6か月ほど抗リウマチ薬(リウマトレックス)を使っていました。
それでも、痛みと腫れが残っていて、手首が特に動かしづらい状態。
検査数値は以下のようでした。
・CRP:0.10(炎症反応)
・MMP-3:127(関節破壊マーカー)
数値だけ見れば重症ではありませんが、
「エコー検査をしていないため、関節内の炎症は不明」と言われ、
生物学的製剤(注射タイプの強い薬)をすすめられていました。
それでも患者さんは、「できるだけ薬は増やしたくない」という思いから、
鍼灸治療を取り入れることを選ばれました。
🔹痛みと自律神経の関係
鍼灸治療を始めてから、少しずつ痛みが軽くなり、体の動きもスムーズになっていきました。
ただ、完全に痛みが消えるまでには「あと一歩」。
そこで私は、関節注射を併用することをすすめました。
「注射は怖い」と思う方もいますが、
局所の炎症が強い場合は、一時的に痛みをリセットすることが大切です。
なぜなら、痛みが長く続くと、脳や神経がその痛みを“記憶”してしまうからです。
痛み → 交感神経が緊張 → 痛みに敏感になる → 不安・恐れ・悲しみが強くなる
この状態が続くと、薬の効果も出にくくなり、さらに痛みが増すという悪循環に。
🔹関節注射で痛みをリセット、その後は鍼灸で安定
注射を行うことで痛みのスイッチがいったん落ち着きます。
このタイミングで鍼灸治療を併用すると、炎症や痛みが再発しにくくなります。
実際、この患者さんも注射後に週1回の鍼治療を続け、症状がどんどん安定していきました。
週1回 → 2週に1回 → 3週に1回と間隔をあけても、痛みが戻らない状態に。
最新の検査では、
・CRP:0.0
・MMP-3:49.6
見事、寛解(病気の活動がほぼ停止した状態)に!
🔹医師も驚いた改善
主治医も「注射がよく効いたんですね」と驚いていたそうです。
実は鍼灸をしていることは伝えていなかったとのこと。
けれど、実際には注射だけでここまで安定することはまれです。
リウマチは「痛みを減らして、体の回復力を引き出す」ことが大切。
鍼灸によって血流・免疫バランス・自律神経を整えることで、
薬の効果を長持ちさせ、自己治癒力が働きやすくなります。
🌿ワンポイントアドバイス
痛みが減ると「前向きな気持ち」が自然に戻ってきます。
無理にポジティブになろうとするよりも、
まずは体の痛みを軽くしてあげることが心の安定につながります。
🔹セルフケアと生活習慣の見直しも大切に
当院では、痛みを軽減するための「食事の工夫」や「胃腸のケア」、
家庭でできる簡単なセルフケアもお伝えしています。
これらを続けることで、薬に頼りすぎずに
ドラッグフリーで安定している方も少なくありません。
🔹おわりに
今回のケースでは、
「関節注射で痛みを落とす」→「鍼灸で体を整える」→「セルフケアで維持する」
という流れがうまくいきました。
痛みが減れば、心も前向きになります。
そして、前向きな気持ちは、さらに回復を後押ししてくれます。
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