信じてくたら、よかったのに・・・
私の鍼灸院に治療に来てくれた女性のリウマチ患者さんが来られました。
発病して間もない時期だったこともあり、腫れもなく症状はそれほど悪くありませんでした。
血液検査のデーターは(CRP)正常値、(MMP-3)は74,2。
リウマチ因子は陽性でした。
医師からは手のこわばりがあるため、標準治療をすすめられていました。
薬を飲みたくなかったようですが、鍼灸でできること、できないこと、抗リウマチ薬のメリット、デメリット、私が行う今後の治療計画を説明しました。
説明を聞き納得して頂いたので、鍼灸治療をスタートしました。
しかし2回ほど治療を受けた後、来られなくなりました。
それから2年後、突然来院されました。
また診て欲しいといいます。
その時は、(CRP) 0,32 (MMP-3) 47,3
アゾラフィンを処方されていました。
「リウマチの薬は一生飲まなくてはいけない」と、主治医から言われるこに怒られていました。では、病院を変えてみてはどうかと提案しました。
「ぼく自身は薬は使い方という考えを持っています」
「リウマチの状態が悪ければ使用しないといけないけど、一生飲むことに対しては否定です」と、説明しました。
すると、次回の予約を入れずに帰られました。
薬を飲まなくしてもリウマチは治るんだ、と言って欲しかと思います。
それから2年後、再び来院。
この時は、かなり悪化していました。
(CRP)6,38 (MMP-3)496,6
手関節の一部は破壊し、腫れもありました。
肩の関節も動きが悪いため、バンザイもできない状態になっていました。
今まで何をしていたか聞いてみると、薬を使わずにリウマチを治す系のセミナーに参加し、主催者が行う治療を受けていたとのこと。
ちなみに、このセミナーの主催者は医療系の資格は持っていません。無資格者です。ぼくはこのような人たちを、『素人専門家』とよんでいます。
『素人専門家』というのは怖いもです。基礎医学、生理学を知っていれば言えないこともスラスラ平気で言います。
その主催者の明るい雰囲気や話術にひっかかってしまい、「薬を使わなくてもリウマチは治るんだ」と、信じて関節の破壊が起きてしまいました。
「薬を使わなくても治ります」と、言われたら、薬なんか飲みたくないわけですから飲まずに治るのであればやってみようと思うのも当然なことです。
再び診て、現在の状態を説明。
痛みと腫れが4ヶ月以上続き、全身の関節が痛いと話されていました。
これはもう慢性期に突入です。
鍼灸だけでは痛みや腫れを抑えることが難しいため、ステロイド注射をすすめました。
ステロイドを危険な薬と思う人は多いと思います。適切な量を短期間使うなら、とても痛みには有効な薬です。ステロイド薬が問題ではなく、使い方に問題がある薬なだけです。
ステロイド注射で痛みを止めて、そして鍼治療で薬が効きやすい体の状態を作ること、
鍼灸で自律神経を安定しておけば、副作用は軽減できることを話しました。
『ステロイド』という言葉に嫌な顔をされました。
今まで何を言って信じてもらえなかったので、今度ばかりはほっておこうと思いましたが、さすがにそれもできず、根気よく説明しました。
今回は私の考えを受け入れ、医師に頼みステロイド剤を注射しました。
その後、痛みはなくなり、日常生活も痛みを感じること無く生活ができると話されていました。
ステロイドは一時的に症状を抑えているだけなので、今度は体の自然治癒を発動される治療、鍼灸をしっかりやっていきましょうと話ました。
治療治療計画を立てましたが、そのとうりには来てくれませんでした。
ステロイドを使って 一時的よくなったことが治ったと思ったのでしょうか?
私がまたまた信じられなくなったのでしょうか?
分かりませんが、数ヶ月後には、さらに症状が悪くなり、今度は生物学的製剤を行うレベルまで悪くなりました。
また、また、また、説得です。
今度は、生物学的製剤の使用したほうがよいと話しました。
今回は少し強く説明しました。
ぼくがよく患者さんに紹介する病院を教えてあげて、生物学的製剤をスタートしました。
計画どうりに来てくれなかったこともあり、劇的な効果はありませんでしたが、徐々に腫れや痛みは軽減しました。
ある程度の鍼灸での治療計画を説明しましたが、今後のことは、患者さん自身にお任せしました。
いくら言っても聞いてくれない人は聞いてくれません。
行動してくれない人は、ご自身が気がつかなければ無理なんでしょう。6年前に来た時、ちゃんとしていれば、こんなに悪くなっていなかったのにと残念です。
素直に、こちらの話しを聞いてくれた人は、リウマチの状態も安定し減薬もできています。
自己判断、素人専門家の方がぼくよりも信じられるのでしょう。
その後・・・
ある日の来院時、ぼくの生まれた生年月日を、しつこく聞いてきました。
なぜですか?と、聞いてみると、
「仕事で必要です」と、小声でいいました。
この患者さん、保険の外交員をされていたので、何かでぼくの生年月日を使いたかったようでした。
「それは、個人情報の勝手な使用ですね、**病院の**副院長にも聞きましたか?」と言うと、無言になりました。
「そうですか、ぼくにだけですか?」
また無言になり、顔がこわばっていました。
医者に聞かず、鍼灸師には聞く、どういう神経かはよくわかりませんが、今後の来院はお断りさせていただきました。
頑張って説得しない方がよかったんでしょうかね。
当院の患者さんはみなさん素直でいい方たちなので、非常に珍しい症例でした。
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youtubeを9年ぶりに再開しました。
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