鍼灸と身体を編集して

痛み・リウマチ、抗癌剤の副作用、突発性難聴、不妊を行う鍼灸院。氣よし鍼灸院のブログ

病院勤務時代の末期癌患者への鍼治療の思い出

独立する前、病院で10年間、医者と協力し、鍼治療を行っていました。

何人かの方は、今でも電話あります。

 

 

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(当時の職場、東洋医学・リハビリ科)

 

先日、病院勤務時代に約10年間担当していた患者さんから電話がありました。

何でも、耳下腺に腫瘍ができたため、切除する手術をしてから顔のしびれが出て、口は曲がっってしまったので、これを鍼灸で治せないかという相談でした。

 

実際に診ていないため話を聞く限りでの判断は、顔面神経麻痺のような症状がでているようでした。

 

主治医は、いつかは神経が再生して元に戻るとのことでしたが、3ヶ月、6ヶ月それ以上になるかもしれないとのこと。

 

この症状を鍼灸でよくすることはできないかという相談でした。

 

うちでも診ることはできるけど、以前の職場の病院でも対応しているので、担当医師に相談し、私の後輩に鍼灸をしてもらってはどうか?というアドバイスをしました。

 

 

 

実際に診てみないと、何とのいえないし、間違った判断をしてはいけないので、基本的には電話での細かいアドバイスは行っていませんが、この方は、特別に相談にのりました。

 

それには理由があります。

 

 

 

もう20年以上に前になりますが、私が20代の時、この方の父親のことで相談を受けました。

 

末期の肝臓癌で、あと数ヶ月もてばいいという状態。癌を治すのは無理だと思うけど、痛みを和らげて楽に最後を送ることができないかというものでした。

 

当時、そのような鍼灸のやり方を知らないし、どうすればいいのかサッパリ分かりません。また、責任も大きい。

 

癌の方、しかも末期癌、やったことないので断りましたが、少しでも痛みが取れればいいのでと、お願いされました。

 

「鍼をしている時に、死ぬようなことがあっても裁判しませんから」

 

さすがにここまで言われれば、仕方がありません。院長(医師)に許可をとると、OKだったので、私が鍼灸を担当することにしました。

 

 

 

気性が荒い方だったので、ご家族からは、申し訳ありませんが耐えてくださいと、事前に言われていました。

 

実際、強烈な方でした。

 

私は何を言われても気になりませんでした。鍼灸について、色々言ってくることもありました。「あれやれ、これやれ」などなど。

 

適切な刺激量というものがありますから、たくさん鍼をすればいいというものではありません。こういう場合は、「無理です、できません」と、キッパリお断りしていました。

 

ブツブツ言っておられましたが、やはり、鍼灸についてはこちらがプロですし、すべて受け入れることはできません。

 

逆にそいうことが、信頼される要因にもなりました。

 

 

癌の鍼灸は分からなかったので、母校でお世話になった先生方にアドバイスをもらいにも行ったり、本もたくさん買ったり、本当に色々勉強しました。

 

後にこの経験が、同じく末期癌、余命2ヶ月と宣告された60代の私の母親への鍼治療に役立つことになるとはこの時、まったく思いもしませんでした。

 

 

 

亡くなる1ヶ月前になると、「手を抜いたやろ!」と怒り出しました。

今までとれていた痛みがとれなくなったからです。

 

 

この頃には、リンパ腺にも転移していたため、どうすることもできません。もう時間の問題でした。

 

亡くなる3日前でした。入院先の病院から抜け出してきて、自転車に乗って勤務している病院に鍼を受けにきてくれました。

 

今なら問題かもしれませんが、入院先の病院の医師も先は短いからと、自由にさせていました。

 

「まだまだ伸びる、これで本を買って勉強しろや」と言って、1万円を私に渡しました。

いつもこの方、私に、まだ20代ならこれからドンドン腕は上がるから勉強しろ、ペテン師のような鍼医者になるなと、言っていました。

 

 

 

亡くなる日。

 

昼ご飯を食べたら、鍼に行くからと、言って、うどんを食べた後、急に体調を崩し、しんどいと言って横になった後、お亡くなりになりました。

 

 

 

その日、鍼の予約を入れられていましたので、待っていましたが、予約時間を過ぎてもこない。

 

お律儀な方なので、キャンセルの場合、絶対に電話があるのですがその日は、連絡が無い。

 

おかしいな、と思い、1階にある受付に行くと、入り口の自動ドアがガタガタと開いたり、閉まったりしていた。

 

私が事務事務員に、「何これ?」と話した途端、自動ドアは閉まり、そのままに。

 

「あれ、あれ?」と、受付の事務員。

「さっきまで、開いたり、閉まったり、20分ぐらいずっと」

 

私が来た途端、なおったようでした。

 

 

念のため、自動ドアの会社に電話して、その日のうちに点検してもらいましたが、どこも異常なし。

 

 

その5日後、ご家族が、亡くなったとの報告。

そして、亡くなった日を聞くと、その自動ドアが開いたり、閉まったりしていた時間に亡くなられたとのことでした。

 

こういう話が苦手な方は申し訳ありませんが、私はその時、すごく嬉しかった。

わざわざ挨拶に来てくれたんだと、手を合わせました。

 

 

この方が、よく、「わしは、家族には迷惑かけたから、何かあったら助けてあげてくれ」と言っていました。

 

20年以上経っても、この約束は破れません。

 

律儀な方には、律儀な対応です。

 

 

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 寒いですが、空いた時間に今日も換気。そして、枕、胸当ての消毒。

 

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