鍼灸学生時代、「鍼はホンマに効くんかいな」と考えていました。
見習いをしていた鍼灸整骨院で行っているのは、患者が訴える部分に鍼を打つだけ。 鍼の後はモミモミマッサージ。
鍼はオマケのようなもので、多くの人はマッサージを受けに来られていました。
鍼灸整骨院なんか、保険の使える健康ランド、格安マッサージ屋としか思えませんでした。
ただ、痛みや不調を感じる部分にだけ鍼をする。東洋思想、経絡なんか関係なし。肩のここがこっていると患者が言えば、そこに鍼をして、腰のここと言えば、そこに鍼をする。
こういう鍼のやり方は、学生の間では「痛いとこ鍼」と呼び、バカにしていました。
言われるまま鍼をする、「それって医療なん?ただの慰安やんか?」そういうものを求めて来られる人たちにも、嫌悪感も持っていました。
自分が考えていた鍼灸医学ではないため、業界に失望し、見習い先の先生に失望し、
勉強には身が入らず、教員も信じられず、そんな毎日を過ごしていました。
ある日、学校にある付属治療室での実習がありました。その日は大雨で、患者はまったく来ません。
患者がいなければ、何もできない。ただボーと時間が経つのを待っていると、担当の先生が、「誰か調子が悪い人いませんか?モデルにならないか?」というので、体調が悪かったので、実技モデルになった。
ストレスで顔がほてり、熱くて熱くて仕方がない状態、同時に顔にかゆみもあり、目もチカチカして蛍光灯の光がつかれるという状態でした。
東洋医学の診察、舌、脈、腹部を診て、問診。
合谷、太衝というツボに鍼。後は、脾経に圧痛ある部位に単鍼。
これ以外のツボにも鍼をしたかもしれませんが、これだけで、目のチカチカ感が一気に取れ、顔のほてりがスッキリ。当時、「何これ!」と驚いたのをすごく覚えています。
あとで、色々質問すると中医学のやり方ということが分かりました。確か、「肝陽上亢」という証(病名のようなもの)だったと記憶しています。
これをきっかけに、「鍼は効く!」 という気持ちに一気に変わりました。痛いところ、症状がある部位に鍼をしなくても効果があるという、本当の鍼灸医療に出会った時でした。
痛いところに鍼を刺せば効果があると考える人も多いと思いますが、それは局所治療になり、本来の意味で言えば東洋医学、鍼灸ではありません。
東洋医学は全身調節です。
この時、鍼を受けていなければ、鍼に対し不信感を持ち続け、別の道に進んでいたかもしれません。
この体験をから、一気に東洋医学、中医学にのめり込むことになりました。
■ 氣よし鍼灸院へのお問い合わせ お気軽にどうぞ
電話 06-6170-9671
当院は、東京大学大学医学部付属病院リハビリテーション部鍼灸部門からの推薦を受けている鍼灸院です。
東京大学医学部附属病院リハビリテーション部物理療法(鍼灸)部門
『東洋医学×現代医学』2つの医学の考え方を合わせた鍼灸院です。
鍼灸経験20年以上の実績
病院勤務10年の鍼灸治療の経験